「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の違いを調べてみた

2025/05/26 B! 0 f 0 X 0

最近スーパーやコンビニで「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」という表示をよく目にしますが、似ているようで実は意味が違うのをご存じですか?

私も最初は混乱して調べてみたので、その結果をまとめてみます。食品のラベルを読むときに役立ててください。それではいってみましょー!

糖質と糖類の違いとは?

まず、ざっくりイメージすると 「炭水化物>糖質>糖類」 という関係になります。炭水化物は主に「糖質」と「食物繊維」でできており、糖質は体のエネルギー源になります。

糖質に含まれるもの

糖質には糖類(単糖類+二糖類)に加えて、でんぷんなどの多糖類、オリゴ糖、糖アルコール(キシリトールやソルビトールなど)も含まれます。一方、糖類はその糖質の中でも「単糖類・二糖類」のことを指し、果物や砂糖に含まれるブドウ糖・果糖・ショ糖(砂糖)など甘いものが当てはまります。

具体例で理解してみよう!

例えば、米やパンに多いでんぷんは糖質ですが多糖類なので糖類ではありません。逆に、果物の甘さの元である果糖は糖類に含まれます。

公式にも「糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもの」「糖類は糖質から多糖類・糖アルコールを除いたもの」とされており、糖類は糖質の一部というわけです。つまり、糖質の中には糖類以外の炭水化物(でんぷんや糖アルコールなど)も含まれている点が大きな違いです。

「ゼロ」の表示ルール

では食品表示で「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」とは何を意味するかといいますと、実は食品表示基準で「ゼロ」と表示できる量が決まっています。

具体的には、食品100gあたり(飲料は100mlあたり)で糖質が0.5g未満であれば「糖質ゼロ」と表示できます。同じように、単糖類+二糖類(糖類)が0.5g未満であれば「糖類ゼロ」を名乗れます。

完全にゼロではない

たとえば「糖質ゼロコーラ」はこの基準を満たしており、厳密には0gではなく0.5g未満であることを利用しています。つまり「ゼロ」と書いてあっても完全にゼロを保証するものではなく、微量なら「ゼロ」と表示できるルールになっていることを覚えておきましょう。

その他の表示について

表示はありませんが「糖質オフ」は法律上の明確な基準がないので、製造者の責任表示になります。同様に「糖類オフ(カット)」は、比較品に対して糖類を100g中5g以上(飲料100ml中2.5g以上)かつ25%以上減らした場合に使えます。

なぜややこしいのか?事例でチェック

糖類ゼロチョコレートの場合

実際の製品を例にするとわかりやすいです。例えばある「糖類ゼロチョコレート」では、栄養表示を見ると炭水化物30.0gのうち糖質23.7g、糖類0gとなっていました。これは砂糖(糖類)を使わずに糖アルコール(マルチトールなど)で甘味をつけたためです。

糖類がゼロでも糖質(糖アルコール)やほかの糖質は含まれており、その1袋(60g)で約290kcalあります。つまり「糖類ゼロ」と書かれていても実質的にカロリー・糖質はあるので、ゼロだからと言って、食べすぎには注意が必要です。

ゼロコーラの場合

ゼロコーラ(コカ・コーラ ゼロシュガー)」のように甘味料で甘みをつけた清涼飲料も、糖類も糖質も基本ゼロですが人工甘味料が入っています。人工甘味料自体は低カロリーで血糖値への影響は少ないとは言われますが、大量摂取するとおなかがゆるくなることもありますし、元々甘みが強いので習慣的に飲むと「甘いもの欲求」をかえって刺激するかもしれません。

飲み物の「ゼロ」表示の注意点

さらに、飲み物の「ゼロ」表示でも注意が必要で、例えば「ゼロカロリー・ゼロ糖類」の飲料でも、人工甘味料を使っているためにコップ1杯あたりの血糖値上昇はゼロではない可能性があります。

要は、パッケージの「ゼロ」に惑わされずに、成分表で炭水化物や甘味料の種類をチェックすることが大切です。

目的別の使い分け

糖質制限・ダイエット中の人

どの表示を重視するかは目的しだいです。たとえば糖質制限・ダイエット中の人や糖尿病など血糖値を気にする人は、「糖質ゼロ」表示のある商品を選ぶと安心でしょう。糖類はもちろんでんぷんなども含め糖質全体が極めて少ないからです。

虫歯や血糖値対策の人

虫歯や血糖値対策で砂糖(スクロース)そのものを避けたい人は、「糖類ゼロ」でも十分です。たとえば甘味料をキシリトールだけにしたガムは「糖類ゼロ」で書かれる場合がありますが、虫歯になりにくいと言われます。

甘さ自体を避けたい人

一方で「甘さがそもそも嫌い」という人は、無糖・無加糖の飲料や食品(茶・コーヒー、成分無調整の野菜ジュースなど)を選ぶほうがいいでしょう。「糖質ゼロ」商品には人工甘味料が使われていることが多いので、自然な甘みゼロの味を求めるなら「無糖」をチェックしてください。

つまり「何を避けたいのか(糖そのもの or 糖全体 or 甘さ)」で、ラベルの意味を正しく読み分けることが大切ですね。

まとめ:表示を正しく読む“目”を持とう

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」という言葉は一見シンプルですが、栄養学的には違う意味です。ラベルの「ゼロ」に安心せず、栄養成分表示をしっかり見る習慣をつけていきたいですね。

糖質・糖類・食物繊維の欄を見て何が含まれているか確認すれば、糖質制限や糖尿病予防、ダイエットにも役立ちます。たとえば糖類だけゼロでも多量の炭水化物が含まれていれば血糖値は上がりますし、逆に人工甘味料でカロリーゼロの甘みは別のリスクもあります。正しい知識で賢く選び、快適な食生活を皆さん楽しんでくださいね!

参考文献リンク

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