食材別・冷凍の向き不向き徹底まとめ
忙しい毎日、冷凍保存はとても心強い味方ですよね。まとめ買いしておいたお肉や野菜をパパッと冷凍すれば、ムダも減るし、時短にもなる。
でも…「冷凍したらスカスカになった…」「食感が変わってまずくなった…」
そんな残念な経験、ありませんか?
実は食材によっては、冷凍が向かないものもたくさんあります。逆に、冷凍した方がうま味が増す食材もあるんです!
この記事では、冷凍NGの食材と、冷凍でおいしくなる食材を科学的に紹介します。冷凍のコツやチャートもあるので、保存上手になりたい方はぜひ参考にしてみてください。それでは早速どうぞ!
冷凍するとマズくなる?NG食材まとめ
まずは、家庭の冷凍庫ではおすすめできない食材を紹介します。なぜダメなのかも一緒に見ていきましょう。
食材 | 冷凍NGの理由 |
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レタス・水菜などの葉野菜 | 水分が多く、シャキシャキ感が失われる |
じゃがいも(煮物など) | デンプンの構造が壊れ、ボソボソに |
こんにゃく | 水分が抜けてスポンジのような食感に |
豆腐 | 水分が抜け、スカスカな食感に(※凍み豆腐になる) |
生卵(殻付き) | 殻が割れて中身が漏れやすい |
マヨネーズ | 油と卵が分離してしまう |
ヨーグルト | 分離し、水っぽくなる |
牛乳 | 凍らせるとざらつきが出る |
豆乳 | 分離してしまう |
クリームチーズ | 食感が変わりやすい(用途によりOK) |
なす | 変色し、ぐにゃぐにゃに |
キュウリ | 解凍後ベチャベチャになる |
お刺身(生のもの) | 再冷凍で味が極端に落ちる |
練り物(ちくわ、かまぼこ) | 食感がパサパサに変化 |
ソース類(とんかつソース等) | 分離するものが多い(一部しないものも有) |
ごまドレッシング | 分離する、風味が落ちる |
スイカ、梨 | 食感が水っぽくなる |
生クリーム(ホイップ済) | 形が崩れやすい |
茶碗蒸し・プリン | なめらかさが消える |
冷凍NGな食材には、「水分が多い」「油分が含まれる」食品が多いのが特徴です。
水分が多い食材(レタス、きゅうり、豆腐など)は、冷凍時に細胞内の水分が氷の結晶となって細胞壁を破壊してしまうため、解凍後にはシャキシャキ感やハリが失われてしまいます。また、油分を含む食材(マヨネーズ、ドレッシング、乳製品など)は、冷凍により油と水分が分離しやすくなり、元の滑らかな状態に戻らなくなるのです。
スーパーと家庭では冷凍可能食材も変わってきます
意外と多くの食材が冷凍に向かないですよね、でもスーパーでは冷凍で売っている…というものもあるのも事実です。これは、スーパーで売られている冷凍野菜や冷凍食品は「急速冷凍機」を使っていて、家庭の冷凍庫とはスピードも温度もまるで違います。
業務用の急速冷凍機では、食材の組織を壊さないよう一気に凍らせることができますが、家庭用の冷凍庫ではゆっくりと凍るため、食材の細胞が破壊されやすくなってしまうのです。だから、家で同じように冷凍しても、解凍時の状態がぜんぜん違うんですね。
実は冷凍でおいしくなる!食材まとめ
意外なことに、冷凍するとおいしくなる食材もたくさんあります。うま味が増す・時短調理になるなど、メリットも豊富です。
食材 | 冷凍するメリット |
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豆腐(→凍み豆腐) | 独特の弾力と味しみ食感に変化 |
きのこ類 | 細胞が壊れ、うま味(グアニル酸など)が出やすくなる |
トマト | 皮が簡単にむける、加熱調理しやすい |
生姜・にんにく | すりおろして冷凍すれば手軽に使える |
納豆 | そのまま冷凍可能、品質変化も少ない |
厚揚げ・油揚げ | 品質変化も少ない、凍らせておくと煮物や汁物に便利 |
挽き肉や鶏もも肉 | 味付けして冷凍することで味が浸透 |
冷凍でおいしくなる食材にも、実は理にかなった理由があります。
きのこ類は冷凍により細胞壁が壊れてうま味成分が出やすくなり、豆腐は水分が抜けることで新しい食感を生み出します。また、すりおろした薬味類(生姜・にんにく)や下味をつけた肉類は、冷凍により繊維が緩み、味が浸透しやすくなるという特徴があります。つまり、「細胞の変化がプラスに働く食材」が、冷凍向きの食材といえるでしょう。
冷凍を成功させる4つのコツ
家庭での冷凍保存を成功させるには、ちょっとしたコツがあります。
小分けにする・空気を抜く
まず最も大切なのは、小分けにして空気を抜くことです。ラップで包んだ後、ジッパー袋に入れてしっかり密封しましょう。空気が入っていると霜がつきやすくなり、冷凍焼けの原因にもなります。
早く冷凍する
次に重要なのは、できるだけ早く冷凍することです。温かいまま冷凍庫に入れてしまうと、冷凍庫内全体の温度が上がってしまい、他の食材にも悪影響を与えてしまいます。粗熱を取ってから冷凍庫に入れるのが基本です。
下処理を行う
そして、使いやすく下処理しておくのも大切なポイントです。カットしたり、味付けしたりして冷凍しておけば、解凍後すぐに調理できて時短にもなります。忙しい平日の夜に、この一手間が本当に助かりますよ。
冷凍した日付を書く
最後に、食品の品質には関係ないですが、大切なことを一つ。食品ごとにラベルと日付をつける習慣をつけましょう。何を冷凍したかを忘れてしまうのは、冷凍保存でよくある失敗です。(私もよく永久凍土から謎の冷凍物が発見されます(笑))冷凍保存の目安は2~4週間程度なので、日付管理も大切になります。
冷凍上手になって、毎日の料理をもっと楽しく!
冷凍保存って、知れば知るほど奥が深いですよね!
今度お買い物で食材を見かけたら、「これって冷凍できるかな?」なんて考えてみてください。きっと毎日のお料理がもっと楽しくなりますよ。