意外と科学的!ダシ&砂糖で実現する”ふわとろ卵焼き”の秘密

2025/04/25 B! 0 f 0 t 0

固い卵焼きにさよなら!? 朝から始まる“ふわとろ革命”

朝ご飯の定番といえば卵焼き。でも、いざ作ってみると「カチカチ…」と肩を落とすことはありませんか?誰もが一度は経験する”ガチ固卵焼き”の悩み。

実はそんなカチカチ卵焼きを回避するポイントが「ダシと砂糖」にあったのです。味付け以外にも、ダシと砂糖は卵焼きにとって重要な効果があります。今日は卵焼きをより美味しく作るための2つの重要なメカニズムをご紹介します!

卵の凝固温度が5℃上がる砂糖のマジック!

卵の固まるメカニズム

そもそもなぜ卵は固まるのか?そこから説明します。

卵にはタンパク質が豊富に含まれています。生の卵は水分を多く含み、その水分子の間にタンパク質分子が分散している状態です。このタンパク質分子は、数多くのアミノ酸が鎖のように結合したもので、規則正しく折りたたまれた立体構造を維持しています。

アミノ酸が鎖のように結合したもので、規則正しく折りたたまれた図

卵に熱が加わると、タンパク質分子の運動が活発になり、互いに衝突し合います。衝突し合うことでタンパク質分子同士が徐々に結合して網目状の大きな塊になると、卵の水分子が分離し、卵は固まった状態になるのです。

ここでポイントなのが、タンパク質の固まるスピード。タンパク質は固まるスピードが早いほどギュッと硬くなる性質があります。これが卵焼きがガチガチになる原因です。

卵を加熱してタンパク質が変性。網目状に固まる図

卵に砂糖を加えると起きる変化

では卵焼きを作る時、卵に砂糖を加えるとどうなるのでしょうか?

卵に砂糖を加えると、砂糖は卵のタンパク質の間に水分を吸着し、タンパク質分子同士の間隔を広げます。また、砂糖の分子は親水性が高いので卵の水分子を抱え込み、水が分離しにくくなります。さらに、タンパク質分子の間で緩衝材の役割も果たします。そのため、熱が加わった際のタンパク質分子の衝突が減り、凝固開始温度が約65℃から70℃前後にアップするのです※。

タンパク質の網目に入り込む砂糖分子の図

65℃付近ではまだゆるく、高い温度までじっくり熱を通せるため、仕上がりがふんわりしやすくなるのです。ダシに含まれるミネラル塩も同様に網目構造を柔らかく保つ効果があります。

※実際の凝固温度は添加量や卵の状態で変動します。

気泡キープ!!!砂糖エアバッグでふわふわ長持ち

泡立て器で卵液を20〜30回ほど優しく混ぜると、小さな気泡がびっしりと形成されます。通常なら加熱で気泡がつぶれやすいものの、砂糖やダシの効果で網目構造が穏やかに固まるため、内部の気泡が熱でもつぶれにくく「エアバッグ」としての役割を維持します。加熱後も内側に空気のクッションが残り、食べたときのふんわり感が持続するのです。

気泡が砂糖分子によってまもられている図

ふわとろ卵焼きの作り方手順

ここでふわふわ卵焼きの作り方まとめです。

1.卵液準備する

  • 卵2個に砂糖小さじ1、顆粒だし(または塩ひとつまみ)を加える
  • 泡立て器で20〜30回、やさしく混ぜて均一な気泡を作る

2.フライパンで加熱

  • フライパンを中火で熱し、サラダ油を薄く引く
  • 卵液の1/3量を流し入れ、縁が固まり始めたら奥から手前へゆっくり巻く
  • 空いたスペースに油を足し、残りの卵液を同様に3回に分けて流し入れ、巻き続ける
  • 強火は表面だけ急激に固まり、中まで熱が行かないので、弱火〜中火をキープ

気をつけるポイントやアレンジについて

  • 混ぜすぎNG:泡がつぶれやすくなるので、20〜30回が目安です。
  • 火加減:強火だと表面が固まりすぎて中心が生焼けになります。中弱火でじっくり加熱しましょう。
  • 砂糖なし派の方へ:砂糖は凝固温度上昇と泡安定の両方に効果があります。甘さが気になる場合は顆粒だしを増量するといいでしょう。
  • アレンジ提案:刻みネギや刻み海苔を卵液に入れると、香りと食感のアクセントになります。

明日からあなたも”ふわとろ卵マスター”

砂糖による「凝固温度上昇」と、泡を閉じ込める技術で、毎朝の卵焼きがふわふわに変わります!「砂糖小さじ1、泡立て20〜30回、弱火キープ」を覚えて、ぜひお試しください。

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